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サイクルイベントに出てみよう!<4>
レースイベントでの走行の注意点 その1

 初めてのレースイベントに参戦! ゴールやタイムを競うレースはどうしても脚力を第一に考えてしまうものですが、「いかにうまく力を使い走れるか」が大事な要素となります。そのことは完走を目指すうえでも同じです。レースコースの試走は、コーナーの幅やコーナーシチュエーション、パンクや落車の危険を避けノントラブルで走るためにも確認をしておきたいところです。

トラブルなくレースイベントを終えるにはいくつもの注意点があります

【試走のチェックポイント】

① 試走時に危険個所を確認しておく

 公道や公園を使う自転車レースは道路の側溝、グレーチング、砂、落ち葉などタイヤをすくわれてしまう危険個所が存在します。特にコーナー付近ではバイクを倒し込むため、前後の環境も含めて事前に把握しておくとよいでしょう。

試走時にグレーチング、砂、落ち葉など危険個所をチェックしておきましょう
② コーナーのシチュエーションを予測する

 周回コースやヒルクライムには必ずコーナーがあります。レースの人数を想定したり、レース後の下りのリスクを考えたりして、おおよそのコーナーの幅や状況を予測しておく必要があります。コーナーを曲がっているときはもちろん、その前後ではライダーの横の動きが多くなるので単独走のときにとるラインだけでなく、複数人で曲がることも想定したライン取りも気にかけておきましょう。また耐久レースでは追い抜き/抜かれ車線が決められていることも多く、事前に大会ルールを把握してから試走に臨むとよいでしょう。

本番では複数人でコーナーを曲がることになります。試走時から想定しておきましょう
③ アップダウンの勾配を確認する

 バイクのギヤをフルに使ってコースを攻略するのが自転車レースの醍醐味。アップダウンの傾斜は特にギヤ選びが重要になります。試走時に起伏とギヤのバランスを意識してみましょう。

【レース中のポジショニング】

① 正しい目線・振り向き方

 密集した集団では前走者との距離を保つ必要があります。この場面で相手の後輪に接触してしまうのを恐れて前走者のタイヤとの距離感にとらわれ過ぎてしまうライダーが多く見受けられます。1点を見つめてしまうと逆に全体の状況を把握する注意力が不足し危険な走行に繋がることが多くあります。車間は前走者の背中との距離で測りながら、左右、路面・タイヤの間隔を俯瞰してとらえることが重要です。

集団内では前走者の背中との距離を測りながら周囲の状況をとらえることが重要です

 また後方を確認するために、振り返る時は特に注意が必要です。顔を大きく振ることで、向いた方向にバイクがずれ込んでしまうことがあります。振り向く側の肩を前方に残したままサッと後方確認をする様に心がけましょう。安全な広場の白線等で練習してみるのも良いでしょう。

良い例。肩を落とさずに後方を確認しています
悪い例。肩を落として振り返ってしまうと振り向いた方向にバイクがずれ込みます
② 集団内での位置取り

 自転車レースは密集した集団で進行します。前後左右にライダーがいる状況でコースの先を読み、的確なポジショニングを行うことが重要です。例えば、右コーナーの前に右端にいれば集団でのコーナーリングはタイトなものとなります。自分の技量に合わせて事前にポジションを移動する必要がでてくるのです。

 こういったポジションの移動に最適な状況は、スピードが高まり集団が細⾧く伸びた後、上りや展開でペースが落ち、集団が再び横に広がったときがチャンスです。このときにその先のコーナーなどに備え左右にポジションを移動します。集団が大きく密集している中でポジションを無理にずらすのは経験値が必要です。レースの流れを利用してポジションを組み立てていきましょう。

③ 車間が詰まったときの対処法

 スピードに緩急がつき車間が詰まったときは、ペダルを回しながら軽くホイールにトルクを掛けた状態で当て利きブレーキをして調整します。

前走車との車間が詰まったらペダルを回しながら当て利きブレーキをして車間を調整します

 減速時に足を止めてしまうとそれにつられて周りのライダー全体が足が止まってしまいます。この状況が連鎖すると集団が不安定となり落車の原因になることが多々あります。足を回し続けることでバイクが安定した状況を作り出し、ブレーキの制動も落ち着いて感じられるのです。

④ 危ないライダーを避ける

 レースではコーナーリングのミステイク以外に、他のライダーとの接触が落車の大きな原因となります。接触する大きな原因のひとつが、左右に顔を振ってレース状況を確認するなど、前を見ていないライダーがいる場面でおこります。

 このシーンの多くが、チームメイトの位置取りを確認しているときなどに目立ちます。振り向くことで前方不注意となる上、左右にバイクがずれ込んでいることを本人が気づいていないケースが多いのです。

肩を落としつつ何度も後方確認してくるライダーには要注意

 こうした行為があまりに目立つ場合には「危ないよ!」と声を掛けてあげるのも自分を守るために必要です。危ないライダーを避けるには集団が伸び縮みした時にポジションをジャンプアップさせましょう。

取材協力:株式会社ミヤタサイクル、シマノセールス株式会社

管洋介
管洋介(SUGA YOSUKE)
AVENTURA CYCLING代表、有限会社デボ代表取締役社長。競技歴22年のベテランロード選手。国内外で50ステージレースを経験。近年は長い経験を生かしてメディア出演も多く、自転車専門誌のレギュラーキャストとして、モデル、インプレッション、ライディングレクチャー、好評の連載を持つ。自転車ライディング講師として イベント他、様々なコミュニティでのテクニ カルコーチ務める。2017年よりAVENTURA CYCLING を立ち上げ、 自転車界の明るい未来をリードして行く。