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遠出してみよう ①準備編

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親子でサイクリングを楽しもう <8>
遠出してみよう ①準備編

 道路を走ることに慣れてきたら、ちょっと遠出をしてみましょう。想像以上に遠くまで移動できる自転車の魅力を感じ取れるようになるはずです。この項では遠出をする際の考え方や、準備、気を付けるポイントなどをまとめます。

自転車で遠出してみよう!

目的地はどう選ぶ?

 まず、子供がどの程度の距離を走れるかを考えましょう。体力に関しては年齢差や個人差がありますが、健康な年長さん(5〜6歳)程度であれば、片道5km・往復で10kmくらいは走れるようになるでしょう。もちろん最初から10kmというわけにもいきませんから、最初は片道2kmくらいからチャレンジしてみましょう。

 目的地は普段行かない場所、多少の特別感があれば何でも構いません。特別感がありすぎると自転車どころではなくなるので、ほどほどが良いでしょう。大きな公園、ショッピングモール、博物館、植物園、図書館、その他近辺のローカル名所など、地図を眺めて考えてみてください。男の子ならば、電車がよく見えるスポットもいいかもしれません。

ルート選び:旧道を探そう

 目的地を決めたら、今度はルートを考えてみましょう。自動車が入ってこない河川敷や遊歩道があれば積極的に利用しましょう。公道であれば前回にも書いた通り、基本は裏道をつなげて走るのがいいでしょう。ニュータウンのような近年新規開発された場所でなければ、ずっと昔からあるような旧道を見つけると走りやすいです。

 旧道の見つけ方ですが、お寺や神社は基本的に道沿いにありますから、歴史のある寺社のそばには古くからの道が通っていると思ってほぼ間違いありません。地図上で寺社を目印にしつつ道を眺めてみると、現代の道路の秩序からは外れたような、所々うねりつつも、たどると長くつながっているような道が見えてくるでしょう。生活道路レベルの細い裏道なのに、なぜか県道クラスの番号が付いているような道も、旧道と考えていいでしょう。

クルマが通れない・通りにくいような狭い道を積極的に使おう

 旧道をうまくたどれば、裏道のみでかなり遠くまで移動することができます。ただ、旧道は大きな新道に分断されていることも多いので、横断できる場所があるかはチェックしておきましょう。自宅から自走範囲でのコースであれば、大人にとっては近所に収まるので、事前に自分のサイクリングがてら、ルートの下見をしておくと確実です。

持ち物と保護者の自転車

 保護者が乗る自転車ですが、ロードバイクはやめておきましょう。巡航スピードが常時時速15kmを下回るので、ロードだとむしろ辛いです。クロスバイク、あるいは軽快車(いわゆるママチャリ)でも大丈夫でしょう。子供の分の荷物を持って走るので、カゴ付きが楽かもしれません。

 持ち物の例は以下の通りになります。

持ち物の例

・水筒やペットボトル飲料:休憩時には水分補給を
・おやつ:途中で買って食べるなら多くは不要ですが、非常食プラス、機嫌が悪くなった時用にあると便利
・ワイヤー錠:幼児車にカギが付いていない場合は忘れずに
・上着:休憩時や天候の変化に備えましょう
・タオル:汗冷え防止
・タオルハンカチ、ティッシュ等

走る際のポジショニング

 保護者が前を走って先導し、子供が付いていく形が基本です。保護者が2人いるのであれば、前後を保護者が挟んで走りましょう。

 気を付ける点として、子供との車間が開きすぎないよう、なるべくひとかたまりで走るようにしましょう。路地から出ようとしているクルマがいる場合は、大人が通過した時点で見切りで出てくることを防ぐため、クルマの前で後ろを振り向いて目線を送るなどして、後ろにもう1台走っていることを明らかにしましょう。

 曲がるときや止まるときは、手や声を使ってしっかり伝えるようにしましょう。前後からクルマが来た場合も同様。繰り返し明示することで、走り方のルールが徐々に身に付いていくはずです。

文・写真: 米山一輝(よねやま・いっき)

スポーツサイクル歴約30年の自転車乗りで元ロードレーサー。その昔はTOJやジャパンカップなどを走っていたことも。幅広いレベルに触れたクラブチームでの経験を生かし、自転車スポーツの楽しみ方やテクニックをメディアで紹介しています。ローラーより実走、ヒルクライムより平坦、山中より都市部を走るのが好きです。

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