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ヘルメットを用意しよう 気をつけたい、正しいかぶり方

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ヘルメットを用意しよう 気をつけたい、正しいかぶり方

 子供と自転車に乗る前に、最も基本的な安全装備であるヘルメットについて、選び方や使い方をおさらいしたいと思います。

幼児と児童のヘルメット着用は法定義務!

 意外と知らない人も多いようですが、自転車乗車時のヘルメット着用は、幼児(小学生未満)・児童(小学生)に関しては、道路交通法に定められた義務です。正確には、保護者に対しての義務です。義務教育と同じですね。

道路交通法 第六十三条の十一

児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

 子供は身体に対して頭の割合が大きいため、倒れた際に頭を打つ可能性は大人より高いことが予想されます。また幼児同乗時に自転車を倒すと、同乗していた幼児が頭から地面に打ち付けられる危険性も少なくありません。頭部へのダメージは、重篤な後遺障害や命を失う危険もあるので、ヘルメットは必ず被るように、小さいうちから習慣づけましょう。

どんなヘルメットがいいの?

 義務化されていることもあり、子供向けヘルメットは、意外にバリエーションがあります。選び方のポイントをいくつか挙げてみましょう。

ヘルメットの選び方のポイント

・安全性
・適切なサイズ
・重量

 まず一番は安全性です。国内で売られている子供向けヘルメットであれば、「SGマーク」が貼られているかどうかが、一番分かりやすいでしょう。安全基準や衝撃吸収試験などをパスしている製品の目印になります。

一般財団法人製品安全協会が定める「SGマーク」は、安全基準・製品認証・賠償保険が一体となった制度です

 次に、サイズが合うかどうか。調整範囲を超えて大きすぎたり、小さすぎたりするヘルメットでは、その性能を発揮できません。子供向けのヘルメットは大まかに普通サイズ、小さめサイズ、極小サイズがあり、何も考えずに購入してしまうと、小顔のお子さんの場合はブカブカガバガバ…ということもあり得ます。頭囲(おでこ付近の外周長さ)を測って、適切なサイズの製品を選びましょう。もし極小サイズでも大きい場合は、ニット帽などを併用すると良いでしょう。

 最後に気にしておきたいのは、重量です。非力な子供の場合、なるべく軽いものを選んだ方が、負担になりにくいというのが筆者の考えです。あとは好みのデザインで、子供が気持ち良く被れるものを選ぶと良いでしょう。

正しい被り方を知ろう

 安全なヘルメットを購入しても、正しい被り方をしなければ、その性能を十分発揮することはできません。一番ありがちな間違いが、「おでこを出して被ってしまう」というもの。大事な後頭部を守る!という意識がありすぎるのかも知れませんが、この被り方では前に倒れた際に前頭部や顔面がほぼ守れません。

おでこが出ている、間違った被り方の典型的な例
おでこが出ていると、前からの衝撃に対して無防備であることが分かります
正しいヘルメットの被り方

・おでこは隠れるように
・頭囲に合わせたサイズ調節をしよう
・ストラップを正しく調節しよう

 正しい被り方としては、おでこが隠れるよう、ヘルメットの前側の“へり”が眉の上あたりに来るように、前後のバランスよく被りましょう。また、多くのヘルメットで後頭部にサイズ調節機構があると思いますので、あごひもが無くてもヘルメットがほぼ動かない程度に、サイズを合わせておきましょう。

自転車用ヘルメットは、おでこが隠れるように被りましょう
ヘルメット前面のせり出しが、前からの衝撃を受け止めてくれます
後頭部のサポートも適切に調節しましょう

 ストラップ(あごひも)の調節も大切です。耳の前後のあごひもは、耳のすぐ下あたりで重なるように左右ともに調節しましょう。左右のあごひもを留めた状態で、あご下であごひもが余りすぎないように調節しましょう。きつすぎても苦しくなるので、若干の余裕はもたせておきましょう。

ストラップは耳の下で集合するように調節しましょう
適切にストラップ調整ができていないと、万一の際にヘルメットがずれたり脱げたりして、十分な性能を発揮できない可能性が高まります

 最初は大人が正しく被せてあげ、次第に子供本人が自分で正しいバランスで被れるように教えてあげましょう。

文・写真: 米山一輝(よねやま・いっき)

スポーツサイクル歴約30年の自転車乗りで元ロードレーサー。その昔はTOJやジャパンカップなどを走っていたことも。幅広いレベルに触れたクラブチームでの経験を生かし、自転車スポーツの楽しみ方やテクニックをメディアで紹介しています。ローラーより実走、ヒルクライムより平坦、山中より都市部を走るのが好きです。

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