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国内外で満足度の高い現地観戦レースはどこか?

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サイクルロードレース観戦の楽しみ方<12>
国内外で満足度の高い現地観戦レースはどこか?

 実際に自転車ロードレースの現地観戦といっても、目的は大きくわけて2つあります。1つは写真を撮ったり、応援をしたり、レース観戦がメインな場合。もう1つはサインを貰ったり、記念撮影をしたり、選手との交流がメインな場合です。では、いったいどのレースに行けばいいのか? という疑問に答えるべく、国内外の現地観戦におすすめのレースを紹介します。

レース観戦派におすすめのレース

 自転車ロードレースの形式は大きくわけて、1本の線を描くように走る「ラインレース」と、一カ所で行われる「周回レース」にわかれます。レース観戦派におすすめなのは、後者の「周回レース」です。理由は単純に目の前を選手が通過する回数が多いからです。

 国内で代表的な周回レースといえば、ジャパンカップサイクルロードレースでしょう。UCI(国際自転車競技連合)公認レースとしては、アジア最大級のワンデーレースとなっており、近年は出場チーム・選手ともに豪華になっています。1周10.3kmのコースを14周してレースが行われます。国内では最もレベルの高いレース展開が期待できるため、見どころも豊富で満足感も高くなると思います。

アジア最大級のサイクルロードレースのジャパンカップ

 また、ツアー・オブ・ジャパン、Jプロツアーの多くのレースに加えて、さいたまクリテリウムは周回コースで競われているので、こちらもおすすめです。

 一方、海外レースとなると、周回レースの数は少なくなります。そのなかでのおすすめはロンド・ファン・フラーンデレンです。モニュメント(5大ワンデーレース)のひとつに数えられ、非常に格式の高いレースであるため、トップ選手の全力の本気の走りが見られるチャンスです。

 コースは完全な周回コースではありませんが、選手たちが複数回通過する区間もあります。その筆頭が「オウデ・クワレモント」という石畳の上り区間です。2019年大会は同日に開催された女子レースを含めて、選手たちが4回通過しました。さらに、沿道には飲食物を販売するブースやレース展開を把握するための大型ビジョンなども設置されて、かなり観戦フレンドリーな場所だといえましょう。

石畳区間の「オウデ・クワレモント」 Photo : Yuzuru SUNADA

 他に海外のおすすめ周回レースは、UCI世界選手権、ハンマーシリーズ、グランプリ・シクリスト・ド・モンレアル、グランプリ・シクリスト・ド・ケベックなどです。

選手との交流派におすすめのレース

 当たり前のことですが、一言でいえば、お目当ての選手が出場するレースがおすすめとなります。とはいえ、選手は年間に多いと90日程度のレースに出場することとなり、どのレースに行けば交流しやすいのかという点を考える必要があります。

 国内で行われるレースならば、どのレースでも交流の機会を作りやすいです。そのなかでも特にジャパンカップサイクルロードレースは交流目的でも非常におすすめなレースです。近年は海外チーム所属のスター選手も来日することが多くなっており、海外に行かずとも会えることが最大の魅力です。さらにアフターパーティが開催されることが多く、憧れの選手と間近で直接会話できるような機会もあります。参加費として概ね1万円程度かかりますが、海外への渡航費と比べれば、お目当ての選手がいる場合には非常にお得なイベントだといえましょう。

ジャパンカップアフターパーティーには海外選手が参加することも

 海外レースでは、ツール・ド・フランスのような規模の大きいレースになると、観客が多すぎるため警備も厳しく、なかなか選手に近づくことは難しいです。そこで狙い目は、グランツール以外のステージレースです。比較的観客の少ないレースであれば、その分交流のチャンスを持ちやすいという理屈です。

 そのような観点で最もおすすめの海外レースはオーストラリア・アデレード周辺で開催されるツアー・ダウンアンダーです。1月開催で、トップ選手の多くが温暖な地域でのシーズンインを望むため、出場選手も豪華です。選手との交流のチャンスを持ちやすいうえに、拠点となるアデレードから全6ステージすべてのコースにアクセス可能という立地の良さもとても魅力的です。

ツアー・ダウンアンダーでの一コマ。カンガルーを抱く選手 Photo : Yuzuru SUNADA
あきさねゆう
ライター、ブロガー、YouTuber。初めて見たレースは2004年のツール・ド・フランス。ひまわり畑に見とれているうちに、レース観戦にハマって十数年。レースに関するコラムが世に少なく、ならば自分で作ってしまえと「サイバナ」を開設した。今では「Cyclist」でレースリポートやコラムの執筆、国内外レースの現地観戦、Zwiftバーチャルレースへの参戦、ボイスコラムを制作する日々。つまるところ、熱心なファンである。