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テレビでは味わえないロードレースの現地観戦の魅力

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サイクルロードレース観戦の楽しみ方<9>
テレビでは味わえないロードレースの現地観戦の魅力

 スポーツ観戦の醍醐味のひとつは、現地での生観戦でしょう。今回は、テレビ・オンデマンド放送では味わえない自転車ロードレースの現地観戦の魅力を紹介します。

現地観戦の魅力は盛りだくさんです。写真はジャパンカップ2018にて(以下同)

選手のスピードを肌で感じる

 自転車ロードレースは、基本的に公道を封鎖して行われます。観戦可能なエリアはレースによって異なりますが、基本的に選手たちが目と鼻の先を通過するほど、近い位置で観戦できることが最大の特徴です。

 平地を走る選手たちは時速40〜50km出ていることがあります。それだけのスピードで、大集団が目の前を通過する迫力は、テレビでは味わえない現地観戦ならではの醍醐味です。

急勾配の区間でもハイスピードで駆け抜ける選手たち

 上り区間で観戦する場合は、自転車を降りたくなるような急勾配区間を猛烈なスピードで駆け抜ける選手たちの凄さや、逆に上りに苦しみ悶える選手たちの表情などを間近で見ることもできます。ただし、選手たちはライバルに本当の調子・残存体力を悟られないようにするため、わざと苦しい表情をしていることもあるため、状況によっては真に受けてはいけない点は要注意です。

チームプレゼンテーションを見る

 自転車ロードレースのスタート前、もしくは前日や前々日には、チームプレゼンテーションという出場選手が一同に揃って、ファンの前でお披露目するイベントがあります。

 国内レースでいうと、ツアー・オブ・ジャパンの第1ステージ開始前、ジャパンカップサイクルロードレースの前々日(ジャパンカップクリテリウムの前日)にチームプレゼンが開催されています。海外でも、ほとんど大半のレースでチームプレゼンが催されます。

 レース中に選手の姿を見たいと思っても、高速で通過する大集団のなかからお目当ての選手を見つけることは、なかなか難しいものです。チームプレゼンは落ち着いてしっかりと選手の顔や姿を見られる貴重な機会であるため、お目当ての選手の写真を撮りたいといったときには、チームプレゼンを見る目的で現地観戦に訪れることをおすすめします。

直接、声援を送って応援できる

 自転車ロードレースの現地観戦に限らず、スポーツ現地観戦の醍醐味は、直接選手に声援を送って応援できることでしょう。

 前述したように選手との距離が非常に近いため、実際に選手たちはファンの声援がよく聞こえているそうです。レースが落ち着いている時なら、声援に応えてリアクションをしてくれる選手もいますし、空になったボトルを転がしてプレゼントしてくれる選手もいるそうです。

上り区間ならば選手への応援もしっかりと届く

 また、お手製のフラッグ、応援ボード、被り物、コスプレなど、思い思いの方法で現地観戦を楽しむ人もいます。なかには、応援グッズの作成が現地観戦の目的なのではないかと思うほどの手の込んだグッズを作成している人も見受けられます。そして、選手たちは自分への応援グッズをとても気に入って、写真を自分のSNSにアップしてくれることもよく見られます。

 このように、自分の応援に対して選手からのリアクションを受け取りやすいことが自転車ロードレース現地観戦の魅力であり、ファン冥利に尽きるといえましょう。

選手と交流のチャンスがある

 現地では、レース前後に選手と交流できるチャンスが多いです。国内のレースでは、選手の待機スペースに仕切りなしに近づけるようなレース会場もありますが、多くのレース開場では柵が設けられ、少し遠くから選手たちの様子を見ることができます。そうしたなかで、ファンのもとに近づき、写真撮影やサインなどファンサービスしてくれる選手も少なくありません。

ジャパンカップでファンサービスする選手

 海外のレースでも同様に、選手と交流できるチャンスはあります。しかし、人気選手との交流や、会場に訪れるファンの多い人気レースでの交流はなかなか難しいようです。選手との交流を狙うならば、あえて人気のないレースや地方・平日開催のレースに行くのも良いかもしれません。

 他にもスタート前にアップしている選手たち、作戦会議・ミーティングをしている様子、フィニッシュ後にキツすぎて倒れ込む姿、ローラー台でクールダウンしている様子など、現地観戦ならではのテレビに映らないリアルを間近で見ることができます。

 総じて選手とファンの距離の近さが、自転車ロードレース現地観戦の魅力を形成しています。

あきさねゆう
ライター、ブロガー、YouTuber。初めて見たレースは2004年のツール・ド・フランス。ひまわり畑に見とれているうちに、レース観戦にハマって十数年。レースに関するコラムが世に少なく、ならば自分で作ってしまえと「サイバナ」を開設した。今では「Cyclist」でレースリポートやコラムの執筆、国内外レースの現地観戦、Zwiftバーチャルレースへの参戦、ボイスコラムを制作する日々。つまるところ、熱心なファンである。