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東京都内~埼玉県の定番コース ”荒サイ”を走って榎本牧場へ

 スポーツサイクルに乗り慣れてきたら、少し長い距離のサイクリングに挑戦しようと思ったことはありませんか? 輪行などで遠征するのも楽しいですが、スポーツサイクルに乗り慣れてすぐはとてもハードルが高いもの。どうせなら近場で快適に走れるコースがあったら嬉しいですよね。今回は東京都近辺にお住まいの方に向けて定番のコースを紹介します。
荒川左岸にある「キッチンとれたて」から上流の風景を望む
オススメポイント 川沿いのサイクリングロードを使って信号のストップ&ゴーや自動車の往来のストレスなくサイクリング。サイクリングのご褒美は牧場特製のジェラート!
レベル ★★(中級者向け)
距離 38.2km
獲得標高 51m
始発・終着地 始発・キッチンとれたて / 終着地・榎本牧場
立ち寄りグルメ キッチンとれたて(チャーハン)、榎本牧場(ジェラート、飲むヨーグルト)
立ち寄りスポット 岩淵水門
東京湾にそそぐ一級河川「荒川」は、埼玉県秩父山地の甲武信ヶ岳に源流を持ち、埼玉と東京合わせて20区40市18町1村をまたぐ、東京では代表的な川の一つです。その両岸にはサイクリストの間で“荒川サイクリングロード”(荒サイ)と呼ばれる、自転車で走れる道路が広がっています。   “荒サイ”は荒川河口の東京都江東区と江戸川区から、埼玉県比企郡滑川町と熊谷市にまたがる国営武蔵丘陵森林公園まで、自転車道と河川管理道路をつないで全長約90kmに及んでいます。ほとんどのエリアで自動車は入ってこず、信号もないので、都内近辺で手軽に気持ちよくサイクリングできるスポットの一つです。  

コースは榎本牧場までのルート

今回紹介するのはその荒サイを利用した数あるコースの一つ、「キッチンとれたて」から榎本牧場までのサイクリングルートです。   スタート地の「キッチンとれたて」は東京都足立区の荒川左岸に位置する施設。「自然と遊ぶ、自然に学ぶ、自然と共に生きる」をテーマにした都市農業公園内に構える、サイクリストにはおなじみのスポットです。
都市農業公園に構えるキッチンとれたて 荒サイを走るサイクリストの憩いの場だ
公園では四季折々の花や植物が楽しめるだけでなく、芝生広場や水田、畑などが存在し、自然の仕組みを生かした有機栽培にこだわった農作物作りが行われています。   取材に訪れたのは午前11時半頃。園内にある自転車の形をした支えのサイクルラックに自転車をおいて出発前の小休止。   この日は梅雨の期間にもかかわらず太陽が照り付けていたので、これから榎本牧場までのサイクリングに備え、少し早めの昼食をキッチンとれたてで食べることにしました。
園内に広がる田んぼ 植えた苗が青々と茂っている
サイクルラックは大型で10台以上は止められる
1階と2階に店舗があり、1階は軽食を中心に、2階は定食などが出されます。なるべくオーガニックにこだわり、できるだけ都市農産をモットーにしたショップです。   本格的に気温が高くなる前にスタートしたいと考えた筆者は、1階で食べることを選びました。軽食が中心になりますが、カレーやチャーハンなどしっかりと食べられるメニューや、アイスなどのデザートも用意されていました。今回は有機栽培の温野菜が付属するチャーハンを選びました。
営業時間の看板。1階と2階で営業日が異なる
券売機にはメニューと画像が表示され、選びやすい工夫がされている
注文から約5分ほどででてきたチャーハンは、プラスチック容器の中に盛られて登場。有機栽培の温野菜がついて700円なのだから少しお得に感じます。肝心の食べるスペースですが、店内にはテーブルが用意されているほか、屋外にもテーブルやベンチが設けられています。好きなところで食事することが可能です。
2階でも提供されるチャーハン。有機栽培の蒸し野菜が付いてくる
店外にもテーブルやベンチが用意されている

対岸に渡って岩淵水門を目指す

腹ごしらえも済んだところでいよいよサイクリングをスタートします。まずは対岸に渡るため、鹿浜橋方面へ足を進めることに。鹿浜橋を通って対岸についたら岩淵水門方面まで北上。河川敷には新東京都民ゴルフ場や岩淵水門球場など都民の運動場が広がっています。土日や祝日なら人で溢れかえっている場所も、平日の日中はさすがに静かなようです。   岩淵水門まで来るとまずは水色の大きな門が出迎えます。現在運用されている水門で、通称”青水門”と呼ばれています。荒川上流から水の流量が増えた場合、岩淵水門を閉め切って、隅田川の洪水を防ぐために設けられています。都民を洪水などの自然災害から守る用心棒です。休日には熱心なサイクリストや、トライアスリートらが練習のために集まる目印になっていて、多くの人で賑わうスポットです。
荒川サイクリングロードの象徴的な建造物岩淵水門
旧岩淵水門。今は歴史的建造物として親しまれている
水門を渡ったその先には、以前使われていた”赤水門”が顔を覗かせます。現在はその役目を青水門に引き継いでおり、歴史的価値のある建造物として多くの人々に親しまれる建築物となっています。

景色が変わる埼玉県

岩淵水門を北上して埼玉方面に北上していきます。榎本牧場までの道はいたってシンプルで迷う心配もあまりありませんが、注意しなければならないポイントがあります。道中に設置された自動車やバイクの侵入を防ぐ柵です。   荒サイでは一定間隔ごとに設けられているほか、自転車もスピードをだして通り抜けできないように通行路が狭く設定されています。通行の際は自転車を押して通過するか、脇の未舗装路を走行するかの二択になります。   秋ヶ瀬橋までまっすぐ来たら、橋を使って対岸に渡り秋ヶ瀬公園へ向かいます。少し先の羽根倉橋などで対岸に渡ってもいいですが、ちょうど秋ヶ瀬橋の少し先で重機を使った大きな工事が行われていたため、このタイミングで左岸に渡るのがベストでした。
竹林で覆われた細い一本道。こういうところはなんだかワクワクする
見逃すことはないと思うが、設置された看板の示す通りに進む
公園エリアは道路沿いに公衆トイレがあるので、ちょっとした休憩ポイントにおすすめ。自動販売機でドリンクの補給もでき、川沿いから約1km圏内にコンビニがあるので食事もとることができます。自分の体力などと相談をしながら適宜休憩をいれるのも、サイクリングを少しでも楽に走るためのコツです。   秋ヶ瀬公園を抜けると、開けた田んぼ道につながります。迷うことはないと思いますが、道中に設置された自転車道の案内標識を見落とさないように進みます。また道幅も狭くなってくるので、そこは少し注意が必要です。
川越線高木踏切。そのまま進んでも斜め右のイタリアンレストランで補給するのもアリだ
田んぼ道を抜けて土手沿いを進むと川越線の高木踏切が見え、この踏切を超えると斜め右方向にイタリアンレストランの「ベニーノヴィッラ」があります。出発する時間帯によっては、ここで食事休憩をしてからサイクリングを再開するのも一つの手段です。   筆者は1.5時間ほど前に食事を済ませているので、今回はスルー。高木踏切を渡り、左側に日進自動車教習所とサッカー場が見える道を進みます。

榎本牧場に到着!ご褒美はジェラート

本当にこの道で合っているのか?と心配になる道を、看板が指示する通りに進むと無事榎本牧場に到着しました。おにぎり?の形をしたオブジェや丸まった牧草が出迎えてくれます。周りを見渡すと放牧中のロバが2頭ほど雑草をムシャムシャと食べています。
放牧されていたロバ。仲良く草を食べていた
設置された看板と牛舎
牧場入口に移動すると、正面には榎本牧場と書かれたミルクタンクと牛の絵が描かれた看板が置かれ、牛舎とジェラートや各種お土産を販売する店舗「fortuna」(フォルトゥーナ)が構えています。   フォルトゥーナの手前にはサイクルラックが設置されており、置き場を気にする必要はありません。晴れた日には大勢のサイクリストが訪れるスポットならではの配慮です。
サイクルラックも完備
この日は気温が高く、撮影に手間取っていたら見る見るうちに溶けていった
さっそく店内に入ってお目当てのジェラートを物色します。季節ものを含めると30種ほどあり、毎日日替わりで7~11種程度製造しているそう。この日は定番のミルクなど、9種が販売されていました。   悩んだ末に杏仁味を選びました。搾りたての新鮮な牛乳を成分・風味を損なわないように低温殺菌したジェラートは、脂肪分を抑えてさっぱりとした中にもコクのある味に仕上がっています。長距離を走って疲労した体には最高のご褒美になること間違いなし。立ち寄ったらぜひ食べていただきたいデザートです。
香料・保存料を全く使用しない生乳、砂糖、乳酸菌だけで作った飲むヨーグルト 
フォルトゥーナでは、お土産用のジェラートセットも販売されています。このほか香料・保存料を全く使用しないで、生乳、砂糖、乳酸菌だけで作ったヨーグルトもラインナップ。オンラインストアでも展開しているので、食べきれない、持って帰れないという場合も、あとで気軽に購入できます。

牛以外にも動物が沢山

榎本牧場では事前に予約をすれば、牛の乳搾り体験やバター作りなど、牛との触れ合いも楽しめます。時間に余裕があれば牛舎内を見学するのもおすすめ。牛舎内には牛以外にミニブタも飼育されており、牛舎を出れば入口のロバや鶏、ウサギなども間近で見ることができます。余談ですが、このミニブタはなんと販売中。値段は飼育員さんに応相談とのこと。
牛舎にいる牛 大きな体を間近で見るのは迫力満点だ
牧場ではミニブタも飼育されている。このミニブタ、なんと販売中だ
今回は荒川下流のキッチンとれたてから榎本牧場までの、約38kmのサイクリングコースを紹介しました。しかし、全長90kmある荒サイを起点にすれば、このルート以外にもレイアウトに富んだコースを生み出すことが可能です。   このコースを一つのステップアップとして、もっと長距離にも挑戦してみてはいかがでしょうか?

■都市農業公園内キッチンとれたて

住所:東京都足立区鹿浜2-44-1 TEL:03-3853-4114 営業時間:10:00~17:00(1F)、11:00~17:00(2F) 定休日:水(1F)、水木(2F)

■ベニーノ ヴィッラ

住所:埼玉県さいたま市西区西遊馬2197-1 TEL:048-620-6200 営業時間:ランチ 11:00~15:30(L.O.14:30)、ディナー 17:00~22:30(L.O.21:30) 定休日:木曜日

■榎本牧場

住所:埼玉県上尾市畔吉736-1 TEL:048-726-1306 営業時間 :9:30~17:00 定休日:1~3月の毎週水曜日