TOPニュース・コラムメカトラ事件簿<2>自転車のネジはいつの間にか緩むので時々確認すべし…というお話

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メカトラ事件簿<2>
自転車のネジはいつの間にか緩むので時々確認すべし…というお話

 自転車とは不思議な乗り物でして、組み立てに接着剤がほぼ使われていないんですよね。各パーツをじっと見てみるとわかりますが、何かしらのネジで接続されています。キッチキチに締め上げる場所もあれば、ほどほどの力で適度に締められていたりもしてなかなか奥が深いものです。

 いわば自転車ってシンプルな構造をしているわけで、だからこそカスタマイズが容易だったり、パーツ交換がさくっと行えたりするのです。ただ、「ネジだらけってことは、使っているうちに緩んでくるんじゃ…?」という不安もあるでしょう。そしてその不安は正しいです。

 走っているうちにバラバラに崩壊するなんてことはまず起きませんが、変な音がするとか、なんかグラついてて怖いといったことがないよう、ネジの緩みに対する注意の仕方をお伝えします。


定期的にチェック

 ショップでプロのメカニックさんに診てもらっているのなら、そうそうのことでは緩んだりしません。たまにショップに立ち寄った際についでにチェックしてもらう…くらいでよいでしょう。

 ただ、自分でメンテするとか、何かのパーツ(サドルとかシートポスト)を自力で交換した際は、締めが弱いと乗っている間にジリジリ動いてしまうこともあります。ポジションが変わってしまうだけでなく、そもそも危険きわまりないので「原因はよくわからないが、なんかおかしい」と感じたら一人でなんとかししようとせず、さっさとプロに頼りましょう。

 あと、数年に1度はオーバーホール(全部バラしてグリスアップしたり、目に見えない部分を掃除したりすること)をすることをオススメします。ネジがしっかり締まっていても、経年劣化は避けられませんからね。

トルクが決まっている

 トルクとは「どれだけ強くネジを締めるか」という設定値のこと。シートポストとかハンドルの付け根など、ある程度の強さで閉まっていないとマズイ場所は設定されていることもあります。さらに、カーボンですと「これ以上のトルクで締めちゃダメですよ」という上限値が決まっていたりします。それを無視して力任せに締めると、最悪バキッと割れてしまう…可能性はあります。

 「強すぎても弱すぎてもダメ?じゃあどれだけの力で締めたらいいんだ…?」

 という方にはトルクレンチという方法もあります。が、たまにしか使わない専門工具をいきなり買うのもアレですので、やはりメカニックさんに相談するのが手っ取り早くて確実です。

4ミリ&5ミリのアーレンキー(六角レンチ)を携行する

 自転車ででかけた先でもしもネジの緩みに気づいたらどうしようって不安、ありますよね? ちゃんとショップで診てもらっていれば、そんなトラブルは滅多に起きないものですが、ゼロではありません。そんなときに重宝するのはアーレンキー。一般的には「六角レンチ」とも呼ばれています。

 さすがに9本セットをまるっと持参するのは現実的ではないので、ひんぱんに使う2本を持っておく。それが4ミリと5ミリです。スポーツタイプの自転車で使用頻度がもっとも高いのがこの2本でして、さらに6ミリを加えればほぼパーフェクト。これならサドルバッグにもスッと忍び込ませられます。

 ブラケット、シートクランプ、ステム&ヘッド周辺、ドロップハンドルの付け根、ブレーキシュー、サドルは緩む可能性がありまして、そのへんは4ミリと5ミリで対応できます。

 とはいえ、フレームメーカーやパーツサプライヤーによって使うネジサイズはビミョーに変わることは日常茶飯事。仮にロードバイクとミニベロの2台を所有してて、ロードバイクだとヘッドが5ミリのアーレンキーが適合するのに、ミニベロのほうは6ミリだった…でも持ってない…となっては悲劇。そうならないためにも、4、5、6ミリのアーレンキーでほぼほぼ対処できるかどうかは事前確認しておきましょう。

組み立て時のクイックリリースにも注意

 やってしまいがちなミスが「クイックリリースの締めが弱い」パターン。自転車に慣れるにつれ、輪行とかホイールの掃除でホイールの脱着はわりとカジュアルに行うようになるでしょうが、装着する際にクイックリリースの締めが弱いままということがあります。

 ここが緩んでいると、ガタガタして走れたものではありません。クイックリリースのレバーはぐっと手のひらで力を入れて押し込む…感覚。このへんの力量は文章では伝えにくいですので、ショップで実演してもらって指先に覚えさせるのがベストかなと。(指先だけで簡単に開けしめできたら、それはトルクが弱すぎです)

 輪行でどこかに出かけるとテンションが上ってすぐ出発したくなるものですが、ホイールがまっすぐハマっているか、ブレーキシューがホイールに接触していないか、そしてクイックリリースのレバーがしっかりハマっているかのチェックはゼッタイに疎かにしないでください。

シューズ裏のクリートも緩む

 あと、見落としがちだけど1年に1回ほどやっているのが、「シューズの裏のクリートの増し締め」です。普段目にしない場所なので、つい忘れてしまうんですよね…。しかもバイクには注意を払っていても、靴にネジがあるなんて気づかないですもんね。

 スニーカーで走る方には関係ない話ではありますが、ビンディングペダルを使っているなら半年に1回ほど、思い出したタイミングでシューズを裏返し、アーレンキーで締めてみてください。4分の1~半回転ほど回ってしまったら、緩んできていた証拠です。あまりにも力任せに締めてしまうと交換時に「取り外せない!」となってしまうので、ハードには締めつつも、怪力を発揮はしないようにお願いします(笑)。

 ということで、

  • 1.定期的にメカニックさんに診てもらう
  • 2.トルクに注意
  • 3.4ミリと5ミリのアーレンキーを持参
  • 4.クイックリリースの緩みに注意
  • 5.シューズの裏のクリートの緩みは見落としやすい

 ことを覚えておいてください!

写真・文/中山順司

中山順司
中山 順司(なかやま・じゅんじ)
ロードバイクをこよなく愛するオッサンブロガー。ブログ「サイクルガジェット」を運営。“徹底的&圧倒的なユーザー目線で情熱的に情報発信する”ことがモットー。ローディの方はもちろん、これからロードバイクを始めようかとお考えの方が、「こんなコンテンツを読みたかった!」とヒザを打って喜ぶ記事をつくります。