TOP HOW TO 自転車マナー 道路を走るコツ <15>夜間走行の注意点

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道路を走るコツ
<15>夜間走行の注意点

 自転車で走る際、人は必要な情報の大半を視覚から得ていると言われています。しかし、当然ですが夜はものが見えにくくなります。夜間の走行は自転車にとって非常に危険なのです。でも、通勤通学などで夜走らなければならない人も多いでしょう。今回は、夜間走行の注意点について触れてみたいと思います。

 大原則は、日中よりスピードを落とすこと。夜は障害物も、歩行者も、路面の状況も見えにくくなります。「ものが見えにくくなる」ということは、「自分も見られにくくなる」ということでもあります。左折時の巻き込み、出合い頭、ドア開けなど、他者と接触の危険がある状況では、「相手が自分のことが見えていないかも」と思いながら、なにがあっても対処できるスピードまで落として走りましょう。

 「見にくさ」と「見られにくさ」を解消してくれるのがライトです。明るいライトを使えば、見えやすく、見られやすくなるため、安全性が高まります。

 ライトの光量を表す単位をご存じですか? 「ルーメン」です。これは光源(ライト)から放射される光の総量を表しています。夜でも明るい都会では、100ルーメン以上のライトがあると安心です。街灯がない暗い道を走る人は、400ルーメン以上のライトがあると安全に走れます。ルーメンは大抵ライトのパッケージに表記されているので、買う際にはチェックしてみてください。

 クルマから見られやすくするためのテールライトも非常に重要です。自転車本体に装着するテールライトは当然必須ですが、それに加えてバックパックやヘルメットなどの高い位置に装着する補助テールライトを使えば、クルマからの被視認性が向上し、追突の危険性を低減することができます。また、ライトだけでなく、ウエア、バッグ、シューズにリフレクター(反射板)を付けておくと、より見えやすくなり安全性が高まります。

文: 安井行生(やすい・ゆきお)

自転車ライター。大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆し、信頼性と独自の視点が多くの自転車ファンからの支持を集める。「今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた」という自称、自転車大好き人間。

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