TOPサイクリングコースビギナーでも大きな達成感が得られる、境川沿いのんびりサイクリング(神奈川)

Cycling Course厳選サイクリングコース

ゴールは江ノ島、ご褒美は磯料理
ビギナーでも大きな達成感が得られる、境川沿いのんびりサイクリング(神奈川)

 サイクリングの目的地は人ぞれぞれだと思いますが、きれいな海とおいしい料理が待っていたら、誰でもテンションが上がるのではないでしょうか。東京都町田市から南へと流れる「境川」は、川沿いの走りやすい道をマイペースで進んでいるうちに江ノ島にたどりつける、サイクリングの好適地。湘南の海と磯料理を目指して進みましょう。鉄道好きには嬉しい“鉄分補給”ポイントもあります。

町田市内の境川は都市河川の様相

走りやすさと達成感を兼ね備えた定番コース

 サイクリングを楽しめるかどうかは、道が走りやすいかどうかにかかっていると言っても、過言ではないでしょう。加えて、ただ走るだけではなく、目的地に着いたときに達成感が得られれば理想的です。今回紹介する「境川」沿いのサイクリングコースは、そのふたつの条件を満たし、ビギナーでもサイクリングの醍醐味を味わうことができます。

境川からほど近い、小田急線町田駅からスタート。駅前の喧騒を抜ける

 東京都町田市の丘陵地帯に水源をもち、神奈川県藤沢市で相模湾に注ぐ二級河川・境川。その河口のすぐ先にあるのはあの有名観光地、江ノ島です。境川沿いには自転車歩行者道が整備されているところが多く、クロスバイクやロードバイクに乗り始めて日が浅い人でも、マイペースで楽しむことができます。

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 今回は、小田急小田原線とJR横浜線が交差する町田駅をスタート地点として、境川経由で江ノ島に出て、七里ヶ浜や稲村ヶ崎にも立ち寄る片道40kmほどのコースを設定しました。近隣にお住まいなら、境川まで自走するもよし。そして輪行でも、今回の町田駅のほか、上流側なら京王相模原線・JR横浜線・相模線の橋本駅、下流側なら東急田園都市線の南町田駅など、境川と交差する鉄道の駅を発着地に設定できます。

意外と景色の変化に富んでいる境川

 境川は、上流域の東京都町田市のほか、神奈川県の相模原市、大和市、横浜市、藤沢市といったエリアをゆっくりと流れています。町田市内では「境川ゆっくりロード」と名付けられた自転車歩行者道を、のんびりと進むことにしましょう。

川沿いの道は「境川ゆっくりロード」と名付けられている。歩行者優先で

 国道246号や東名高速道路を過ぎて神奈川県大和市に入ると、「大和藤沢自転車道」となり、あたりには農地が広がるようになります。そして団地や住宅街の中に入ったかと思うと、ふたたび農地が広がって??といった具合に、景色の変化を繰り返しながら進みます。

 町田駅から20kmほど走ると対岸に「境川遊水池公園」が見えてきます。そして大和藤沢自転車道側には「今田休憩所」が整備されています。ベンチやバイクラック、飲み物の自販機、そしてトイレがあるので、ひと息つきましょう。ただ、少し先に最初の立ち寄りスポットが控えているので、冷たい飲み物はほどほどに。

下流に行くにしたがってのどかな雰囲気も。写真は神奈川県大和市内で、道の名は「大和藤沢自転車道」となる

境川サイクリングの聖地「飯田牧場」

 今田休憩所から再出発して4kmほど走ると、大和藤沢自転車道は神奈川県道403号と交差。いったん大和藤沢自転車道をそれて数百メートル進むと「飯田牧場」という小さな牧場があります。牧場といっても牧草地などはなく、小さな牛舎にて乳牛が飼育されていて、牧場の直売所「ミルクハウス」では、自家製のジェラートをいただくことができるのです。

 うれしいことにバイクラックやベンチが用意されているほか、店内にもベンチがあります。この日は2月下旬ながら春の陽気だったので、外のベンチでジェラートを食べ、しばし体を休めました。

境川流域の定番スポット、飯田牧場のミルクハウス
飯田牧場にはバイクラックがあり、週末になれば多くのサイクリストでにぎわう
飯田牧場の直売所「ミルクハウス」では、自家製ジェラートをいただくことができる。サイクリングでほてったカラダに冷たくて口どけの良いジェラートがうれしい
飯田牧場では外から牛舎も見学できる。牛を驚かさないように静かに見学しよう

■飯田牧場

住所:神奈川県藤沢市西俣野981
電話:0466-83-6010
営業時間:10:00?17:00
※売り切れの場合は繰り上げ閉店あり
定休日:水曜(祝日の場合は営業)

 さて、飯田牧場の住所は藤沢市内。海まで約10kmほどのところまで来ています。大和藤沢自転車道はこの先、国道1号のバイパス付近で一旦途切れ、境川の西側を流れる「引地川」方面へ進むことになるのですが、今回はそのまま境川沿いを進みます。国道1号のバイパスをくぐってからは交通量の多い一般道になるので、気を引き締めていきます。

川沿いを一気に下って、藤沢橋交差点へ。江ノ島への道しるべが保存されている

 ほどなくして、国道467号と湘南新道の交差点に到着。交差点の名前は「藤沢橋」で、東海道五十三次・藤沢宿のあったあたり。箱根駅伝のコースとしても知られていますね。付近には「江の島弁財天道標」が保存されています。

道路の真ん中を電車が走る

 藤沢橋からは国道467号を通行。藤沢の繁華街を通り抜けるかたちになるので、注意しながら進みましょう。道なりに進んでいくと、江ノ電・江ノ島駅の近くに出ます。江ノ電こと江ノ島電鉄線は、江ノ島駅から隣の腰越駅までのあいだ、道路の真ん中を走っています。

国道467号を走って江ノ電・江ノ島駅の近くまで来ると、道路の真ん中に線路が。そして電車がやってきた

 江ノ電には、この江ノ島?腰越駅間以外にも線路と道路が接近しているところがいくつかあります。柵がないところもあり、電車を撮影するにはばっちりです。国道134号の渋滞を嫌ってこれらの裏道を進むこともあるかと思いますが、電車が接近したら慌てず落ち着いて、安全な走行を心がけてくださいね。

江ノ島駅?腰越駅の間が、路面電車のように道路と線路の併用区間になっているのだ。通行には注意しよう
七里ヶ浜のあたりで、国道134号から1本それて江ノ電沿い。柵もない目の前を電車が通り、“鉄分”補給もばっちり

腰越漁港で水揚げされた地魚を味わう

 さあ、境川の河口と江ノ島はすぐそこ!なのですが、今回は江ノ島より先に、少し東側の稲村ヶ崎を目指します。海沿いの国道134号に出て、目指すは地魚料理のお店「池田丸・稲村ヶ崎店」へ。腰越漁港で水揚げされた地魚やしらすを、存分に味わうことができます。週末にはバイクラックも用意されるので、サイクリストにも人気のお店です。

腰越漁港で水揚げされた地魚を使った料理をいただける「池田丸 稲村ヶ崎店」へ
刺身定食をいただく。地魚なので日によって魚が変わる

 今回筆者は、お刺身の定食を注文。お刺身の内容は水揚げによって変わりますが、それがまた、よし。その土地でとれた魚を新鮮なうちにいただけるのは、やはりうれしいものです。個人的な好物のサワラが入っていたので、その脂がのっていながらもどこかさわやかな食感に心が満たされます。小鉢のしらすも、ふわふわとしていて美味。調子に乗って「しらすやっこ」もいただいて、大満足のランチとなりました。

■池田丸 稲村ヶ崎店

住所:神奈川県鎌倉市稲村ケ崎3-5-17(稲村ケ崎駅より徒歩2分)
電話:0467-61-2424
 土・日・祝日 11:30?20:00(ラストオーダー19:30)
 平日 11:30?15:00(ラストオーダー14:30) / 17:00?20:00(ラストオーダー19:30)
定休日:不定休
ウェブサイト:http://www5c.biglobe.ne.jp/~ikeda-m/

再び東京五輪のヨット競技会場となる江ノ島

 ランチの後は、国道134号を流しながら江ノ島へ。片瀬海岸から江ノ島へと渡る車道の江ノ島大橋は近年、自転車も通行できるようになりました(かつては自転車を含む軽車両通行禁止)。

春を感じるおだやかな日差しに包まれる江ノ島

 江ノ島ヨットハーバーを見学しようと思ったら、この日はまさかの「休港日」。このヨットハーバーは1964年の東京五輪においてヨット競技が行われた場所で、当時の聖火台が保存されているのですが、そのエリアまでは行けず無念。ヨットハーバーの建物には、2020年の東京五輪でもこの江ノ島がヨット競技会場になることをアピールする横断幕が掲げられていました。競技の際は、よりいっそう多くの人で賑わうのでしょうね。

江ノ島ヨットハーバーは1964東京五輪のヨット競技会場。そして2020東京五輪でも競技会場となる
江ノ島は多くの観光客で賑わっていた
江ノ島にはいくつか駐輪場があるが、スポーツバイクを駐輪するにはあまり適していない
江ノ島港から腰越や稲村ヶ崎の方向を眺める

 橋を渡り江ノ島に入ってすぐのところに、噴水公園があります。こちらも1964東京五輪を記念して作られました。ブロンズ像「弁財天と世界女性群像」は、藤沢市で暮らしていた彫刻家・加藤顕清によるものです。

1964東京五輪を記念した噴水公園
江ノ島の猫。みんなのんびりと過ごしていた

電車ビューのカフェでゆったりと過ごす

 続いて、コーヒー&デザートタイムといきましょう。江ノ電の江ノ島駅まで境川沿いを進み、「カフェ610」へ。こちらにはウッドデッキがあり、デッキの上に自転車を置かせてもらい、店内へ。まさに江ノ電の線路そばに建っており、電車がガタンゴトンと通るたびに、カラダに心地よい振動が伝わります。

江ノ電江ノ島駅の近くにある「カフェ610」

 ふんわりとしたシフォンケーキと味わい深いオーガニックコーヒーとともに、通り過ぎる江ノ電や、だんだんと暮れてゆく空を眺めながら、すっかりくつろいでしまいました。

 ウッドデッキを拝見すると、線路に向いてカウンターと椅子があり、寒くなければこちらで電車を眺めながら過ごすのも良さそうです。自転車も目の届くところにあるし、安心でしょう。

シフォンケーキとオーガニックコーヒーのセットとともに、しばしくつろがせてもらう
ウッドデッキは線路沿い。最高の「電車ビュー」

■Cafe 610

住所:神奈川県藤沢市片瀬海岸1-3-20
電話:0466-23-1200
営業時間:11:30?19:00
定休日:木曜(祝日の場合は営業)、その他不定休
ウェブサイト:https://ameblo.jp/ishtar1999/

仕上げは夕日と富士山のシルエット

 さて、カフェ610でゆっくりしすぎてしまい、気がつくともう夕方。ちょっと慌てつつ、もう一度海岸へと向かいました。もちろん、夕日を見るためです。

最後に片瀬海岸へ向かう。日が沈み、富士山のシルエットが浮かびあがる

 太陽が山に隠れようとする頃、その右側に富士山のシルエットが浮かぶ、すてきな時間。江ノ島へのサイクリングの締めくくりに、これ以上のものはないでしょう。弁天橋を歩く多くの人が、カメラを向けていました。

 すっかり、暗くなってしまいました。ここからは、あらかじめナイトライドの装備を充実させておき自走で帰るのもよいですし、小田急江ノ島線の片瀬江ノ島駅から輪行で帰ることも可能。ここは始発駅で、新宿方面への直通電車もたくさん出ています。2駅先の藤沢駅で乗り換えて、JR東海道線・湘南新宿ラインに乗ることもできます。藤沢駅は近いので、直接自走してもいいでしょう。

片瀬海岸のすぐそばに、小田急江ノ島線の片瀬江ノ島駅がある。遠方から来たのであれば、ここから輪行で帰るのが良いだろう。新宿方面への直通電車も多い。輪行なら特急ロマンスカーより急行電車の最前部/最後部のほうが、輪行袋が置きやすい

 このように、輪行で帰るのにも都合が良いのは、江ノ島エリアの魅力。初めての輪行サイクリングにも、ぴったりと言えるでしょう。